こういった疑問を解消します。
本記事の内容
・原油価格の上昇or下落時に投資すべき業界
・原油相場に詳しくなる【悪いインフレとは】
執筆している僕は、現役の証券マン。大学生から投資をしています。
業界の最前線で働いているので、最新情報やウラ情報も提供します。
本記事の目次
■原油価格と株価の関係まとめ
●一般的には原油価格と株価は〝逆〟の関係
・原油価格下落 → 株価上昇
↑が一般的な、原油価格と株価の関係。
片方が上がれば片方が下がる、逆の関係です。
ロジックを説明します。
原油の価格が上がると、輸送費が増えます。船とか車のガソリン代など。
すると、企業は材料の調達コストが膨らみますよね。
コスト増加は、業績悪化につながるので、株価が下落します。
逆に、原油価格が下がれば、企業のコスト減。
結果として、業績が良くなり株価上昇。
まとめると、
→「企業コスト増加」
→「企業業績悪化」
→「株価下落」
「原油価格下落」
→「企業コスト減少」
→「企業業績好転」
→「株価上昇」
チャートで見てみましょう。
青の線が原油の価格(WTI)、オレンジの線が株価(S&P500)。
綺麗に〝逆〟の関係になっていますね。
●長期的には原油価格が上がることは悪くない
ここまでの説明だと、「原油価格上昇=悪」と考える人も多いと思います。
ですが、長期的に考えれば、原油価格の上昇は株価にプラスの影響であることが多いです。
原油価格が上がるということは、原油の需要が高まっているということ。
原油の需要が高まるのは、景気が良いからです。
景気が良くてものがどんどん売れるから、企業もたくさん製造する。材料もたくさん必要になるので、輸送が増えて、原油が多く使われる。
こんな流れですね。
原油価格の上昇は、経済が発展する過程でどうしても起きてしまうもの。
原油価格の上昇は、経済が拡大している証拠だとも考えられます。
一時的な下落はあるかもしれませんが、経済が拡大しているのならば、長期的には株価にうプラスの影響を与えます。
■原油価格の上昇or下落時に投資すべき業界・銘柄
●原油価格の上昇時に投資すべき業界・銘柄
原油価格が上昇しているときに株価が上がる業界としては、以下の3つ。
・貴金属業界
・銀行業界
エネルギー業界
原油価格が上昇すれば、原油を扱う企業の売上はUPします。
また、原油価格が高くなると他のエネルギー(天然ガスなど)も需要が高まるため、エネルギー業界全体の株価があがります。
・エクソンモービル(XOM)
・イーキューティー(EQT)
・INPEX(1605)
貴金属業界
原油価格が上昇しているときは、インフレの場合がほとんど。
インフレになると、現金の価値が減るので、安定資産の貴金属が買われることが多いです。
特に、金(ゴールド)は最も人気が高いですね。
・バリックゴールド(GOLD)
・ニューモントマイニング(NEM)
・住友金属鉱山(5713)
銀行業界
原油価格が上昇してインフレになると、中央銀行が金利を上げて物価を落ち着かせようとすることがあります。
金利が上がれば、金貸しである銀行は儲かり、株価も上がることが多いです。
金利と株価の関係は【勘違い多発】金利と株価の関係【利上げは悪いことではない】をどうぞ。
・JPモルガン(JPM)
・バンクオブアメリカ(BAC)
・三菱UFJ(8306)
●原油価格の下落時に投資すべき業界・銘柄
原油価格が下落している時は、成長株が上がりやすいです。
原油価格が下落して株価が上がりやすい環境では、積極的にリスクをとった運用をする投資家が増えます。
まだまだこれから成長するような企業は、注目度が高まります。
業界としては、
・キャッシュレス
・ゲノム編集
↑のような、今から伸びてくるような業界。
まだ地位を成長段階ですので、株価の動きは激しく少しリスクは高いです。
・テスラ(TSLA) ← 電気自動車
・ブロック(SQ) ← キャッシュレス
・インテリアセラピューティクス(NTLA) ← ゲノム
■原油相場に詳しくなる【悪いインフレとは】
原油価格は、株価に大きく影響しますし、経済の動きを把握する上でもとても大切。
原油相場に詳しくなるための重要なポイントを説明します。
上でも説明したのですが、原油価格が上昇することは、長期的には株価にプラスの影響。
原油が値上がりすることは、経済発展の証拠だからです。
ただ、注意が必要なこともあります。
需要が増えて原油が値上がりするのはOKですが、供給が減って原油が値上がりするのはキケン。
例えば、2022年始めから報道されている、ロシアとウクライナの問題。
ロシアは産油国なので、戦争が長期化してロシアからの原油輸出がなくなったら、原油が不足してます。
景気が良くないのに、原油価格が上昇して、物価上昇。
物価抑制のために中央銀行が利上げをして経済を引き締めます。
景気が悪いのに引き締めを行うので、さらに悪い状態に。
これがいわゆる〝悪いインフレ〟というやつです。
悪いインフレ時には、株価は大きく下落する可能性もあります。
もちろん対策もありまして、長期投資が有効になってきます。
【最強の投資】長期投資はメリットしかない!【やらない理由ある?】でまとめているので、参考にどうぞ。
以上、原油価格と株価の関係をまとめました。
それでは。