こういった疑問を解消します。
本記事の内容
・金利上昇or下落時に投資すべき業界・銘柄
・金利の基礎知識まとめ【経済に詳しくなる】
執筆している僕は、現役の証券マン。大学生から投資をしています。
業界の最前線で働いているので、最新情報やウラ情報も提供します。
本記事の目次
■金利と株価の関係【勘違いしてる人が多い】
●一般的には金利と株価は〝逆〟の関係
・金利低下 → 株価上昇
↑が金利と株価の一般的な関係です。
以下で、ロジックを説明します。
金利はお金を借りる時の利息のことなので、金利が上がると借金が難しくなります。
身近なところでいうと、家や車のローンなんかが借金ですね。
ローンが組みにくくなるため、家や車を買う人が少なくなります。
その結果、経済が回らなくなり、企業の業績も下がって、株価下落。
逆に、金利が下がれば、借金が簡単になります。
その分、家や車を買う人が増えて経済が活性化。
企業業績も良くなり、株価が上昇するという流れです。
まとめると、こんな感じ。
→「借金ができず消費縮小」
→「企業業績悪化」
→「株価下落」
「金利低下」
→「借金がしやすくなり消費拡大」
→「企業業績拡大」
→「株価上昇」
●実は金利上昇は株価にプラスの影響
金利と株価の関係には、まだ先があります。
金利と株価が逆の関係なら、『金利上昇=悪』と考えますよね。
確かに、金利が上がると一時的に株価が下がります。
ですが、長期的には金利上昇は株価にとってプラスの影響なんです。
そもそも、金利上昇はどうして起きるのかというと、中央銀行(日本銀行)が金利を上げるからです。
金利をコントロールしているのは中央銀行なので。
中央銀行が金利を上げる理由は、経済の過熱を抑えるため。
「景気が良すぎて急成長しすぎているから、いったん落ち着こう。」というのが利上げです。
ということは、金利が上がる時は、景気が良い時なんです。
利上げは、経済が拡大していることの証拠。
景気が良ければ株価は上がるので、長期的に見れば、利上げは株価にとって悪いことではありません。
ですから、金利上昇で株価が一時的に下がった時は、投資のチャンス。
長期投資を考えている人にとっては、完全に〝買い場〟です。
■金利上昇or下落時に投資すべき業界・銘柄
●金利上昇時に投資すべき業界・銘柄
金利が上昇時に魅力のある業界は以下の2つ。
・石油業界
銀行業界
銀行の仕事は「金貸し」です。
お金を貸した時の利息で儲けるビジネスモデル。
ですので、金利が上がって利息が増えると売上はプラス。
利上げの話が出ると、銀行株が急に上がります。
・JPモルガン(JPM)
・バンクオブアメリカ(BAC)
・三菱UFJ(8306)
・横浜銀行(8332)
石油業界
金利が上がる時は、インフレの時。
インフレが起きる原因として、石油が頻繁に登場します。
石油価格が上がって企業のコストが増えて、株価が下落するという流れ。
石油価格が上がれば、石油を扱う企業は儲かります。
・エクソンモービル(XOM)
・シェブロン(CVX)
・INPEX(1605)
・ENEOS(5020)
●金利下落時に投資すべき業界・銘柄
金利下落時に投資すべきなのは、成長株です。
どんどん借金をして事業拡大が可能な環境ですので、新興企業も成長します。
業界で言うと、
・キャッシュレス
・電気自動車(EV)
のような、これからの時代にマッチしているところ。
・グーグル(GOOGL) ← データ処理
・ペイパル(PYPL) ← キャッシュレス
・テスラ(TSLA) ← 電気自動車(EV)
期待度の高い成長株のほとんどはアメリカ企業ですので、特に低金利の時にはアメリカ企業に投資をするのがおすすめです。
アメリカと日本の違いについては、【暴露】なぜ投資家は日本ではなくアメリカを選ぶのか【答え:簡単に儲かるから】でまとめています。
■金利の基礎知識まとめ【経済に詳しくなる】
金利と株価の関係を説明しましたが、そもそも金利のことをあまり知らない人も多いと思うので、まとめて学んでおきましょう。
●政策金利と長期金利を区別しましょう
本記事でも【金利】という言葉を何度も使っていますが、政策金利と長期金利を区別しておいてください。
政策金利とは、中央銀行が設定する金利のこと。
「日銀が利上げを発表した」という時は、政策金利のことです。
日々日々動くものではありません。
長期金利とは、1年以上の期間でお金の貸し借りをする時の金利。
物価や政策金利の動きの予想で、毎日変動します。
中央銀行が利上げをする(政策金利が上がる)んじゃないか、という予想で長期金利が上がったりします。
ほとんどの場合、「長期金利=10年物国債の利回り」です。
特に、アメリカ10年国債の利回りは、世界中の投資家が注目しています。
●物価や為替と金利の関係
物価と金利の関係は以下の通り。
・物価下落 → 金利低下
物価が上昇すると、中央銀行が経済の過熱を抑えるために利上げ(政策金利を上げる)をすることが多いです。
そのため、「物価が上昇すると政策金利が上がるんじゃないか」という予想で、長期金利も上がるんですね。
為替と金利の関係は以下の通り。
・金利が低下 → 通貨安
金利が上がったら、その国の通貨の価値が上がるということ。
例えば、アメリカの金利が上がったら、ドル高円安になります。
金利が上がると銀行の利息もあがります。
日本の金利は上がらないのに、アメリカの金利が上がったら、アメリカの銀行にお金を預けたい人が増えますよね。その結果、円を売ってドルを買う人が増えていきます。
為替と金利の関係については、【投資のキホン】円高・円安が株価に与える影響を解説【シンプルです】でもまとめていますので、どうぞ。
以上、金利と株価の関係について説明してきました。
金利は、投資をする上でとても重要なので、ある程度は理解しておきましょう。
それでは。