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【今さら聞けない】『投機』と『投資』の違いを超丁寧に解説しました

投稿日:2020年8月18日 更新日:

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【今さら聞けない】『投機』と『投資』の違いを超丁寧に解説します
投機って言葉をよく聞くけど、投資と何が違うんだろう。ちょっと調べてみたけど、イマイチ理解できない。分かりやすく説明してほしいな。





こんな要望にお応えします。




本記事では、投機と投資の違いについて、超丁寧に説明します。

金融知識が皆無の人でも分かるようにしますので、ご安心ください。

また、初心者が投機をすべきでない理由もお伝えします。




これを書いている僕は、某証券会社に勤務しています。

証券マンならではの、ちょっと変わった切り口からもお話ししていきますので、お楽しみに。




本記事の目次

■「投機」と「投資」の違いとは?

■「投機」と「投資」の違いとは?



では、さっそく本題。「投機」と「投資」の違いはなんなのでしょうか。

ネットの記事を見てみると、「長期的なのが投資、短期なのが投機」「タイミングを狙うのが投機」などと書いてありますが、ここは本質ではありません。

どこまでが短期でどこからが長期なのかは決まっていませんし、投資においてもタイミングを無視しているわけではないからです。




じゃあ何が違うのかということですが、1番の違いは“目的”です。





●「投機」と「投資」の違いは“目的”


投機と投資の違いを説明する上で、奥野一成さんの「教養としての投資」という本の中にわかりやすい例えがあったので、引用させていただきます。

(ちなみにこの本は全ビジネスマンが読むべきだと思ってます。リンクも貼っておきます。)




ビジネスエリートになるための 教養としての投資





目の前に「農地」があることを想像してください。

この農地を買うとしたら、どんなことを考えるでしょうか。


「こんな作物を植えて、このくらい生産して販売すればこのくらいの利益が出るかな」と考えている人が多いと思います。これが投資。つまり、この農地から将来的に得られる利益を目的としているのが投資です。

一方で、「この土地を今のうちに買っておけば、来年もっと高い値段で売れるな」と考える人もいます。このように、値上がり益を目的としているのが投機です。




なんとなく理解できたでしょうか。

この例えを株式に置き換えてみると、株式を発行している企業がどれほど利益を出すのか考えるのが投資

株式の価格(株価)がどれほど上がるかを予想するのが投機

投機と投資では、全く目的が違うわけです。





●あなたがイメージしているのは投機


ここまでで、投機と投資の違いを説明しました。

今まであなたが「投資」と聞いてイメージしていたものは、実は「投機」ではありませんでしたか?

実際、僕の友達も「投資初めてみたいんだけど、上がる株教えて!」と言っていましたが、株価の上下だけを考えるのは投機なんですね。




日本人の多くが「投資は大損するから怖い」とか「難しそう」と思っています。

投資と聞いて、複数の画面の前で難しいグラフ(チャートと呼びます)とにらめっこしている風景を思い浮かべる人も多いと思います。

が、これは投資ではなく投機なのです。




ドラマなどの影響で、投資に対して間違った印象が植え付けられてしまっていますが、実際の投資とは将来的に利益を増やしそうな企業の株を買って、それを長期的に持ち続けるもの。

投資はそんなにハードルが高いものではありません。




●投資の本質とは?


ここでは少し脱線して、投資の本質について考えてみたいと思います。

上述の通り、投資とは企業の将来的な利益に期待して資金を投じることですが、違った側面から考えてみるとちょっと印象が変わります。




突然ですが質問。会社の中で一番偉いのは誰でしょうか?

社長・・・ではありません。答えは株主です。会社は株主のものなので。

当然、経営者は株主に利益を還元できるように必死に働きます。

株主になることで、自分よりも圧倒的に優秀な経営者が、自分のために働いてくれているということです。




面白いと思いませんか?

Facebookの株主になればマーク・ザッカーバーグが、テスラの株主になればイーロン・マスクが、自分のために働いてくれるのです。

このように考えれば、投資というのは自分のお金で自分よりも優秀な人間を働かせることだと言うこともできますね。




■「投資=善・投機=悪」ではない

■「投資=善・投機=悪」ではない


ここまでの説明だけだと、「投機=悪」だと考える人がいるかもしれません。

確かに僕自身も投機をすすめているわけではないので、どちらかと言えばマイナスなイメージなのですが、必ずしも悪いということはありません。


●投機とギャンブルは違う


投機を嫌う人の中には「投機なんてギャンブルだ」と言う人もいますが、これに関しては明確に否定します。




何が一番違うかと言えば、手数料(運営料)です。

パチンコや競馬などのギャンブルでは、集まったお金の一定割合が自動的に運営者の収益になります。パチンコなら約13%、競馬なら約25%、宝くじに至っては50%以上。

掛け金の総額からこの運営料が引かれた金額を、参加者で分け合うということです。確率的には、賭けを続けていくうちに必ずマイナスになるものなのです。(これをマイナス・サムと呼びます)




一方で、投機は集まったお金をそのまま参加者に配分するため、誰かの損が誰かの利益になるという仕組みになっています。(これをゼロ・サムと呼びます)

厳密には売買の際に手数料を証券会社へ払うため、完全なゼロ・サムではありませんが、ギャンブルに比べれば参加者にはかなり有利です。




ギャンブルは純粋な儲けを狙うというよりは、遊びの延長と考えるほうが適切ですし、楽しませてもらっている分の手数料を運営者に取られるのは仕方のないですね。

でも投機は、それで生活をしている人もたくさんいるような立派な仕事です。「投機=ギャンブル」という考えは捨てましょう。




●投機家も決して楽ではない


もう一つよくある勘違いは、「投機家は楽して儲けているから立派な仕事ではない」みたいなもの。

確かに、一瞬で大金持ちになる可能性があるため、そういう印象を持つのも仕方のないことだとは思います。




ただ、投機が楽というのは完全な思い込みです。

僕の知り合いにも投機で生計を立てようとしている人がいますが、めちゃくちゃ勉強してます。想像を遥かに超える努力をしてます。

また、1日中パソコンの前に張り付いて値動きをチェックしなきゃいけません。YouTubeで「トレーダーの1日」とか検索すれば出てくるのでちょっと見てみてください。

さらに、安定収入もなく、1つ選択をミスれば大損をしてしまうというプレッシャー。

想像している華やかな世界ではないでしょうし、生半可な気持ちではやっていられないでしょう。




別に投機家を擁護しているわけではないですが、「投機=楽して稼げる」みたいな思い込みは捨てた方がいいですよ。




●投機家も世の中に必要


「投機家も苦労しているのは分かったけど、結局は自分のために利益を得ようとしているだけで、世の中に何の価値も提供していないんじゃないの?」

こんな疑問を持った人もいるでしょう。

確かにパッと思いつかないかもしれません。




ですが、投機家もちゃんと役に立っています。(投機家自身が自覚しているかどうかはわかりませんが。)

短期で売買を繰り返す投機家のおかげで、市場の取引量が増えて流動性が確保されます。

流動性が確保されることによって、みんなが安心して投資をすることができるようになります。

安心して投資をできることで、投資に回るお金が増えて、企業の発展につながります。

企業が発展すると、経済の発展につながるわけです。




こう考えれば、投機家は経済を支えているとも言えます。(ちょっと言い過ぎかもしれませんが)

とにかく、「投機=悪」というのはちょっと違うのです。




■初心者に投機はおすすめしません。

■初心者に投機はおすすめしません。


最後に1つ、証券マンからのアドバイスです。

初心者は投機をしちゃダメです。

理由は簡単で、多分儲からないから。




まず、手数料の問題があります。

投機にかかる手数料は少ないと書きましたが、何度も売買を繰り返せば、その度に負担は大きくなっていきます。

手数料を差し引いても勝てるならいいのですが、初心者にはちょっと難しい。




次に時間の問題。

投機を行う上で、けっこうな時間を使います。毎日どんな取引をしようか考えて、チャートをみていたらあっという間に時間が過ぎます。

一度、チャート分析で稼ぐ人の無料セミナーに参加したことがあるのですが、その人は1日2時間は費やすべきだと言っていました。

初心者がいきなり2時間は辛いですよね。




最後に精神的な問題。

投機を行うと、毎日の値動きがとても気になってしまいます。僕も学生時代に投機的な取引を行ったことがありますが、めちゃめちゃ気になります。今考えてみると、かなりストレスになってたと思います。

精神的に強い人ならいいんですが、多くの人は僕と同じだと思います笑




以上の理由から、投機はおすすめしません。

ちなみに証券会社は、お客さんが投機をして売買を繰り返してくれた方が手数料が稼げるので、投機的な取引を提案する証券マンもいますが、騙されないでくださいね。





ということで、今回はここまで。

ありがとうございました。

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