こんな疑問に答えます。
この記事では、株に投資をする上での銘柄選びの方法を紹介します。
証券マンとして仕事をしている僕が実際にやっている銘柄選びの方法を、具体的にお話しします。
とは言っても、誰でもできる簡単なやり方です。
このマニュアル通りにやれば、根拠を持って投資をすることができるようになるので、参考にしてみて下さい。
これを書いている僕は、現役の証券マンで、大学時代から投資を始めました。
証券業界の裏側や、自身の経験なんかも混ぜながら、お話ししていきます。
Twitter(@hununu_blog)でも、日々役に立つ投資情報を呟いています。
本記事の目次
■【株に投資したい!】証券マンの銘柄選び完全マニュアル
●銘柄選びマニュアル①気になる業界・産業を3つピックアップ
では早速、銘柄選びマニュアルについて紹介していきます。
まず最初にやることは、気になる業界や産業をピックアップすることです。
どんな分野でも構いません。「今後、この業界は成長しそうだな」と考えるところでOK。
自分の仕事に関連する分野でもいいですし、ニュースで報道されているのを聞いて興味を持ったとかもアリ。
ただ、今後成長すると思えるところを選んでください。
例えば僕だったら、「AI」「キャッシュレス」「再生可能エネルギー」なんかに注目しています。
3つという数字に深い意味はありません。ただ、あまり多すぎると調べるのが大変になりますし、あまり少なすぎると銘柄の選択肢が少なくなってしまうからです。
とりあえず、普段僕が銘柄を調べるときは、たいてい3つの業界・産業を選んでいます。
「気になる業界なんてないんだけど、、、」という人も多いと思いますが、そういう場合はスマホでいいので経済ニュースを10分くらい読んでみて下さい。色々な業界が取り上げられていて、興味をもつ分野が出てくると思います。
普段ニュースを見ない人にとっては、気になる業界を見つけることが苦痛かもしれませんが、ここは我慢して情報収集を頑張りましょう。
だって、自分の大切なお金を使って投資をするわけですから。自分から積極的に情報を取りに行くくらいのやる気は必要です。
一応、最近ニュースや新聞で話題になっている分野をいくつか挙げてみます。この中から選んでもOK。
・AI
・ゲノム
・半導体
・仮想通貨
・自動運転
・電気自動車
・キャッシュレス
・ブロックチェーン
・再生可能エネルギー
・サイバーセキュリティー
・オンラインショッピング
こんなところですかね。思いつく限り書いてみました。他にも色々ありますから、ぜひ自分でも調べてみて下さい。自分が「この業界は成長性があるな」と納得する必要があります。
●銘柄選びマニュアル②株探(カブタン)を使って10銘柄をピックアップ
銘柄選びマニュアル次のステップは、①で選んだ業界・産業の中から個別銘柄をピックアップします。
ここで使うのが「株探(かぶたん)」というサイト。株探は投資家や証券マンの中では有名なサイトで、たくさんの人が使っています。
株探では、業界ごとに関連企業を抽出してくれる機能があります。例えば、「再生可能エネルギー」と入力して検索してみて下さい。そうすると、再生可能エネルギーと関連のある企業がバーッと出てきます。
この機能はめちゃくちゃ便利ですね。完全に無料で使えるので、このサイトを使わない手はないです。お気に入りに登録しておきましょう。
検索して出てきた企業を、さらにクリックすると、個別企業の詳細も出てきます。具体的な事業内容や最近の株価、業績など投資をする上でとても大切な情報が詰まっています。
これを見ていきながら、気になる企業を10社ほどピックアップして下さい。
ここでは、なんとなく自分の気になる企業を選びます。名前を知っているとか、事業内容が面白そうとか。その程度でOK。
次のステップで細かく分析するので、ここはあまり時間をかけなくて大丈夫です。
1つだけ絶対にチェックして欲しいのは、株価です。理由は、予算を超えてしまうかもしれないから。
株は100株単位で買います。株価が3000円の銘柄を買いたいと思ったら、30万円(3000円×100株)が最低でも必要です。
もし予算が20万円だとしたら、買えないですよね。なので、自分の予算の範囲で買える株だけをピックアップして下さい。
●銘柄選びマニュアル③1つ1つの銘柄を調べていく【ミクロ分析】
いよいよ銘柄選び最後のステップです。
先ほど選んだ10社を細かく分析して、投資する企業を決定していきます。
細かく分析すると言っても、専門的な知識は不要です。注目するのはたった3つのこと。全て株探でみれます。
①企業のHP ⇨企業理念に共感できるか。
②業績 ⇨売上は増加しているかどうか。
③株価チャート ⇨株価がずーっと下がり続けていないか
具体的な分析の方法は次章で解説しています。とりあえず、この3つは最低限チェックすべき。ここまでやって、投資をしたいと思う企業があればそこに決定です。
もし、企業理念に共感できなかったりして、魅力的に感じる企業がなければ、無理して投資をする必要はないです。
というより、投資をしちゃダメですね。もう一度、マニュアル①に戻って別に業界で探してみましょう。
自分の大切なお金を投資するのですから、ここでめんどくさくなって「この銘柄でいいや」と適当に選ぶのは最悪。本当に納得できた場合だけ投資をするべきだと思います。
■証券マンの銘柄選び【ミクロ分析編】
ここからは、銘柄選び【ミクロ分析編】として、銘柄分析の具体的な方法を紹介していきます。銘柄選びマニュアル③に当たる部分ですね。
初級(絶対にやって欲しいこと)、中級(余裕があればやって欲しいこと)、上級(株オタク向け)の3段階で解説していきます。
●銘柄選び【ミクロ分析編】ー初級
銘柄選びをする上で絶対にやって欲しいことです。以下の3つのことを分析します。
①企業のHP
②業績
③株価チャート
前章で説明したことと同じですが、少し深掘りして解説していきます。
まずは①企業のHPについて。
企業のHPで注目して欲しいのは、企業理念です。企業がどういうことを考えて、どんなサービスを提供しているのか。企業が将来成功していることを想像できるか。ざっくりとでいいので、考えてみて下さい。
企業のHPを見る理由は、株価が上がるかどうかをチェックするというより、〝納得感〟を持って投資をすることができるかのチェックです。
投資をする上で、一番大切なことだと思っています。何度も言いますが、自分の大切なお金を使うのですから、本当に納得できた場合だけ投資をしましょう。
次は、②業績です。
長期的に見れば、株価は業績によって変動すると言われています。業績が良ければ絶対に株価が上がるということもないですが、ある程度の関連性はあります。業績が拡大して成長している企業に投資をしましょう。
業績の中でも、「売上高の推移」に特に注目して下さい。直近数年間の業績を確認して、売上高が5〜10%以上増えている企業がおすすめ。売上高が増えていれば、会社の規模が拡大しているということです。
注意して欲しいのは「利益」。調べていると、利益がマイナスとなっている赤字企業も多いです。
赤字と聞くと悪いイメージがしますが、そんなことはありません。というのも、成長段階の企業は、どんどん設備投資を行なって規模を拡大させるのが普通だから。
新しい事業のためにお金を使っているせいで赤字になっている場合が多いです。なので、利益がマイナスでも売上高が増えていれば、そこまで問題はないです。
最後に、③株価チャートについて。
株価チャートというのは、過去の株価の動きを示すグラフのことです。これも株探で見れますね。株価チャートを使った分析手法は数え切れないくらいあるんですが、ここで見て欲しいことはとても簡単です。
それは、「過去3年間の株価の動き」。
過去3年間の株価の動きの中で、今の株価がどの位置にあるのか。3年間、ずーっと下がり続けているような企業はダメです。企業の成長性が失われている可能性が高いです。
以上、銘柄選び【ミクロ分析編】の初級でした。
簡単なことですが、めちゃくちゃ大切なことです。初めて投資をするという人でも、絶対にチェックして下さい。
●銘柄選び【ミクロ分析編】ー中級
続いて、銘柄選びの中級編です。余裕がある人はここにもチャレンジしてみて欲しいですね。少しハイレベルなので、読んでいて「無理!」と思ったら無視して全く問題ないです。
ここでも、3つのことを分析します。
④企業に関連するニュース
⑤企業の決算発表日
⑥株価チャート(移動平均線)
詳しく説明していきます。
まず、④企業に関連するニュース。これは、企業名でGoogleのニュース検索をすればOKです。企業に関連するニュースが出てきます。直近1〜2週間くらいのニュースをチェックしましょう。
例えば、新規株式発行というニュースが出ていれば、これから株価は下がるかも。自社株買いというニュースが出ていれば株価が上がるかも。こんなことが分かるようになります。
次は、⑤企業の決算発表日。「企業名 決算発表日」とかでググれば調べられます。
なぜ決算発表日が重要かと言えば、株価が大きく動くからです。決算がすごく良ければ株は上がり、悪ければ株は下がる。
1日で株価が10%以上変化することも珍しくないです。
で、この決算の内容は正直だれにも分かりません。
なので、決算の直前に株を買うのはちょっとギャンブルみたいなもの。僕も証券マンとしてお客さんに株をおすすめしますが、決算直前は買うのを待ってもらっています。
株を買うなら、決算発表の直前はやめときましょう。
最後に⑥株価チャート(移動平均線)です。さっきも株価チャートが出てきましたが、今回はちょっとレベルが上がります
株価チャートの中にある、移動平均線というものを使って分析をしていきます。
移動平均線というのは、一定期間の株価の平均をつなぎ合わせた線のこと。もうちょっと簡単にいうと、過去数日間の株価の平均です。
この線と株価の動き方を見ると、株価が上がりやすいのか、下がりやすいのかを分析することができます。
理解すべきことは以下の2点。
・ゴールデンクロスとデッドクロス
・移動平均線に株価がタッチすると、反発する可能性が高い
このあたりは今後、別記事で解説しておきます。今の段階ではとりあえず「移動平均 見方」とかでググってみてください。
●銘柄選び【ミクロ分析編】ー上級
では、いよいよ上級編。かなり細かいことを話しますので、分からなくていいです。正直、証券マンでも知らない人がいると思います。〝株オタク〟の人だけ読んでください笑
分析するのは2点。
⑦信用倍率
⑧株価チャート(MACD・RSI・ボリンジャーバンド)
まず⑦の信用倍率です。信用倍率といのは、信用取引の買いと売りの割合を示したものです。「信用倍率=買い残÷売り残」で計算します。つまり、信用倍率が1を越えれば、信用買いが信用売りを上回っているということ。
信用取引は、将来的には必ず決済をしなければならないんですよね。そのため、買い残というのは将来の売り。売り残は将来の買いということになります。
信用倍率があまりにも高い(=信用買いが多い)場合は、将来的に売りがたくさん出て株価が下がる可能性があることを示しています。
信用倍率に明確な基準はないですが、個人的には10倍以上はかなり注意が必要かなと思っています。
では、⑧株価チャート(MACD・RSI・ボリンジャーバンド)について。
僕が株価チャートで分析する時に使っている指標がこの3つです。売買のタイミングを見るのに役に立つ指標ですね。どれも、TradingViewというサイトで無料で見ることができます。
ここで説明すると、とんでもない文字数になってしまうので、詳しく知りたい方は、後日の別記事にて。
以上、銘柄選び完全マニュアルでした。
実際に、証券マンの僕がやっている分析方法を詳細に説明してますので、かなり実践的な内容になったと思います。
少し難しいところもあったかと思いますが、自分のレベルに合わせて試してみて下さい。
もっと投資について理解を深めたいという人は、【最重要】儲けたいなら長期投資のメリットを知れ!【短期はNG】へどうぞ。
それでは。