こんな疑問を解消します。
本記事では、自社株買いが株価に与える影響を簡単に説明していきます。
先に結論から言うと、タイトル通りで、自社株買いが行われると株価は上がりやすいです。
どうしてそうなるのか、どれくらい重要なことなのか。そのへんのことを理解できます。それと、後半では株価に影響を与える出来事をまとめているので、この際に覚えておいてください。
これを書いている僕は、現役の証券マンです。
投資をしていない人にとっては、「自社株買い????」という感じだと思いますが、投資をする上ではかなり重要なビッグニュースです。知らないと損をする可能性もあるので、ここで理解しておきましょう。
本記事の目次
■自社株買いが株価に与える影響とは?
●自社株買いが株価に与える影響【投資家は喜ぶ】
自社株買いが株価に与える影響としては、単純に株価が上がります。
株価が上がるので、投資家としては嬉しいニュースですね。証券マンとしてお客さんに株をおすすめするんですが、自分が進めた銘柄が自社株買いを行うときは、心の中でガッツポーズしています笑
投資を始めて少し慣れてきた人は、チャートを見ることが増えて来るはずです。チャートを見ていると、たまに1日だけ株価がポンっと上がっていることがあります。今まではほとんど値動きがなかったのに、1日で5%とか10%とか上がっているような日ですね。こういう時は、自社株買いが発表された可能性があります。
百聞は一見にしかず、ということで、下のチャートをご覧ください。
これは、「東京産業」という企業の株価の値動きです。東京産業は7月5日に自社株買いを発表しました。その日を境に、株価が一気に上がっていますね。赤い丸で印をしたところです。調べてみると、1日で7%以上上昇したそうです。1日に1%も動かないのが普通ですから、自社株買いの影響の大きさがわかると思います。
これが、自社株買いが株価に与える影響です。
●自社株買いが株価を上昇させる仕組み
では、どうして自社株買いが行われると株価が上昇するのでしょうか。
理由は大きく分けて2つ。まず、自社株買いが行われると、大量の買い注文が入るから。企業は自社の株を買うわけですから、市場に大量の買い注文を出します。注文を出さないと株は買えないですからね。そして、買い注文が増えるということは、需要が増えるということです。
なんとなくイメージできると思いますが、モノの値段は需要と供給の関係で決まります。需要が増えれば値段が上がり、需要が減れば値段が下がる。当たり前の話ですね。
それで、企業が自社株買いを行って需要が増えると、株価が上がるというわけです。簡単ですね。
理由の2つめは、自社株買いをすると、市場に流通する株数が減るから。企業が自社株買いをするということは、市場で流通していた株が企業に吸収されてしまうということ。流通する株の数が減るんですね。これは、供給量が減るということになります。
ここで、先程の需要と供給の関係に戻ります。今度は供給側から考えると、供給が増えると値段は下がり、供給が減ると値段が上がる。こんな関係が成り立ちますね。それで、自社株買いをすると供給が減るわけですから、株価が上がるということになります。
なんとなく理解できましたか?
要は、自社株買いをすると、株に対する需要が増えて、供給が減る。だから、株価が上がる。こういう仕組みになっています。よく考えれば、当たり前のことですね。
■自社株買いはどれほどの影響があるのか【データあり】
「実際、自社株買いでどのくらい上がるの?」と思う人もいるでしょう。
なので、直近のニュースで自社株買いを発表した企業を紹介してみます。
まずは、スマホゲームで有名なグリー(3632)。
2020年9月29日に自社株買いの発表がありました。株数全体の8.9%(120億円)の自社株買いを行うそうです。
この発表があった次の日の株価は、一気に9%上昇しています。
続いて、就職情報の学情(2301)。
こちらは9月7日に2億円分の自社株買いを行うと発表しました。
その結果、前日比13%に急上昇。
やはり、自社株買いは株価に大きな影響を与えていますね。
もちろん、規模やタイミングによっても株価の上昇は変わりますが、投資家にとって大事なイベントだということは間違いなし。
※少し話がそれますが。。図のような分かりやすいチャートを見たい人は、Trading Viewがおすすめです。無料で使いやすいです!
■株価に影響のある出来事まとめ【全て重要です】
では最後に、自社株買い以外で株価に影響を与える出来事と、株価への影響をまとめておきます。
投資をする上で、必ずと言っていいほど登場するワードだけをまとめているので、全て理解しておいてください。
<①株式分割>
内容:発行されている株を分割すること。1株が2株、3株になったりする。
株価への影響:上昇することが多い。(1株あたりの単価が下がり、購入する人が増えるため)
<②株式併合>
内容:複数の株式を1株に統合すること。株式分割の逆。
株価への影響:下落することが多い。(1株あたりの単価が上がり、購入する人が減るため)
<③増配>
内容:配当金を増やすこと。
株価への影響:上昇することが多い。(配当金を狙って資金が流入するから)
<④減配>
内容:配当金を減らすこと。増配の逆。
株価への影響:下落することが多い。
<⑤増資>
内容:企業が新規に株を発行して資金を集めること。自社株買いの逆。
株価への影響:下落することが多い。(株数が増えるので、価値が希薄化する)
こんなところですね。株価に関するニュースとか見ていると、本当によく出てくるものばかりです。投資をする上では必須の知識なので覚えておいてください。
一応補足をしておくと、必ずしも株価への影響通りになるわけではないです。株式分割をして株価が下がる可能性もなくはないですし、増資をして株価が上がることもあり得ます。あくまで、そうなる可能性が高い、くらいに考えておいてください。
というわけで、この記事では、自社株買いが株価に与える影響をテーマにお話をしてきました。
さらに投資について理解を深めたい人は、以下の3つの記事が参考になります。初心者向けに解説しています。
★【暴露】なぜ投資家は日本ではなくアメリカを選ぶのか【答え:簡単に儲かるから】
★【驚愕】裕福なアメリカ人と貧乏な日本人の違い【投資の必要性を感じます】
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今回はここまで。ありがとうございました。