こういった疑問に答えます。
本記事の内容
・「損切りしたくない」心理が投資の最大の敵
・インデックスファンドの長期投資なら損切りは不要
執筆している僕は、現役の証券マン。大学生から投資をしています。
業界の最前線で働いているので、最新情報やウラ情報も提供します。
本記事の目次
■投資の損切りポイント3選【証券マンが実践する方法】
「〇〇%下落したら損切りする」と、下落率で判断する人が多いですが、おすすめしません。
銘柄によって値動きの大小がありますし、大きく下落しても戻る可能性が高いなら損切りをしない方がいいからです。
僕は以下の方法で判断しています。
●投資の損切りポイント①200日移動平均線の向きが変わった
200日移動平均線は、チャートを見る上でとても重要。
上向きなら上昇トレンド、下向きなら下降トレンドとなります。
上向きだった200日移動平均線が、下向きに変わったタイミングは注意。
大きく下落する可能性があります。
そうなったら損切りのポイントです。
↑は新日本製薬(4931)の株価。
黒線が200日移動平均線です。
損切りするポイントは、水色の丸印のところ。
200日移動平均線の向きが変化していますね。
丸印以前も下がっていますが、200日移動平均線が上向きである限りは、株価が戻る可能性があるので、損切りしない方がいいです。
●投資の損切りポイント②1ヶ月以上なだらかな下落が続いている
1ヶ月以上、大きな上昇もなく、なだらかに下落している時も損切りポイント。
↑はビヨンドミート(BYND)という銘柄。
2つの四角マークの間が1ヶ月です。
大した上昇もないまま、ずるずる下がっていますね。
200日移動平均線は若干上向きですが、1ヶ月下落が続いた時は損切りを検討します。
ちなみに、ビヨンドミートのその後の動きは以下。
見事に下がっていますね。
途中から200日移動平均線も下向きに変化。
損切りポイント①と②がダブルできたら、決定的です。
●投資の損切りポイント③投資したい銘柄を発見した
買った銘柄がどうというわけではないですが、新たに投資したい銘柄が出てきたら損切りしてOKです。
例えば、A社を買って損が出ているけど、B社を買いたい。でもすぐ動かせる資金がない、という場合。これはA社を損切りしてB社を買っていいと思います。
投資で重要なことは、利益の最大化です。
A社とB社を比べて、B社の方が今後は株価が上昇すると思えば、B社を買うべき。
損が出ていることで売りたくない気持ちが勝って、B社の買い時を逃してしまうのはもったいないです。
利益を最大化することを考えましょう。
■「損切りしたくない」心理が投資の最大の敵
「損切りしたくない」は全投資家が共通して思っていることです。
ですが、この気持ちが投資の最大の敵。
損を確定させるのが怖くて、損切りのタイミングを逃してしまうと、株価がズルズルと下がっていくことが多いです。
そうすると、さらに売りたくなくなって、上がるまで待つしかなくなります。
いわゆる〝塩漬け〟というやつ。
先ほどのビヨンドミート(BYND)なんかは典型例ですね。
高値で買ったとしても、損切りができていれば、損失は25%。
損切りのタイミングを逃した人は、今では63%の損失。半値以下です。
利益の最大化が重要だとお話ししましたが、そのためには損失の最小化も超重要。
人間の心理は投資を邪魔するので、決めたルールに従って機械的に損切りすることが大切です。
■インデックスファンドの長期投資なら損切りは不要
「値動きを見るのは難しいし、損切りしなくていいものに投資をしたい」という人も多いと思います。
そういう人は、S&P500のインデックスファンドの長期投資をしましょう。
損切りする必要がないです。
インデックスファンドについて知りたい人は、初心者こそインデックス投資をすべき【必要知識をまるっと解説】を先にどうぞ。
●長期投資にとって下落時は最高の買い場
↑はS&P500の過去30年間の動き。
ずーっと上がり続けています。
アメリカ経済は今後も拡大する可能性が高いですから、S&P500は一時的に下落したとしても、長期的には上昇を続ける見通しです。
長期的に上昇するなら、下落したところは絶好の買い場。
損切りなんて考える必要がありません。
インデックスファンドは個別株と違って、経済全体が拡大すれば値上がりしますので、安定的に上昇することが多いです。
ですので、経済が拡大する見込みがある限り、損切りせずに買い増しをする方が儲かります。
もちろん、アメリカの経済が拡大していかないと意味がないですが、今後30年間くらいは拡大が続いていくと予想しています。
詳しくは、【暴露】なぜ投資家は日本ではなくアメリカを選ぶのか【答え:簡単に儲かるから】で説明しています。
●長期投資は損切りしないほうが儲かる
損切りが不要な理由はもう1つあります。
長期投資は、市場に長く居続けることがとても重要だから。
証拠は以下。
(期間:2000年以降の約22年間)
S&P500に普通に投資した場合
→約4.5倍
S&P500の上昇率上位10日に投資しなかった場合
→約2.0倍
S&P500の上昇率上位20日に投資しなかった場合
→約1.2倍
22年間(約8000日)の中のたった10日間だけ市場にいなかっただけで、4.5倍になるはずの株価が、2.0倍にしかならないんです。
上昇率の高い日を逃せば、投資をしているメリットはかなり薄れますよね。
だからこそ、市場に居続けることが大切なんです。
ということで、長期投資をするなら、損切りは不要。
以上、投資の損切りについてまとめました。
それでは。