こんな疑問を解消します。
本記事の内容
・2022年は円高、円安どちらに動くのか
・円安になりすぎると日本がキケンという話
これを書いている僕は、現役の証券マンで、大学時代から投資を始めました。
Twitter(@hununu_blog)でも、日々役に立つ投資情報を呟いています。
本記事の目次
■【投資のキホン】円高・円安が株価に与える影響
●円安は投資家にプラスの影響
円高、円安は投資にどういう影響を与えるのか。
先に結論を言ってしまうと、以下の通りです。
・円安 → 投資にプラス
円安になった方が、投資家には嬉しいことなんです。
まずはこの関係を覚えてください。
理由を説明します。
中学生の時に、円安になると、輸出に有利になるということを習いませんでしたか?
覚えている人は少ないと思いますが、円安になると輸出企業の業績がよくなります。
そして、日本は輸出企業がたくさんあるんです。
例えば自動車。世界中の至る所で、日本車が愛されています。
すると、『円安→輸出企業の業績UP→日本は輸出企業が多い→日本企業の業績UP→株価上昇』
↑のような流れで、株価は上昇しやすくなります。
だから日本企業に投資をしている人は、円安になると喜びます。
日本企業だけでなく、アメリカなど海外投資をしている人も円安の恩恵があります。
アメリカに投資をしているということは、円をドルに交換して投資をしていることになります。(日本円のまま海外の株は買えないので)
円安ということは、裏を返せばドル高。ドルの価値が上がっているので、アメリカに投資をしている人は自動的に資産が増えます。
・「1ドル=100円」で100ドル(10,000円)の米株を買った
・その後、円安ドル高になって「1ドル=120円」になった
・すると、株価は100ドルのままでも、資産は12,000円(100ドル✖️120円)になる
こんな感じで、アメリカに投資をしてドル資産を保有している人は、円安になると資産が増えます。
●これから海外株に投資をするなら円安は不利
以上の説明のように、円安になると投資をしている人にとっては良い影響があります。
ですが、これから投資をする人にとっては円安なのは微妙です。
特に海外株への投資を考えている人。
これから海外株に投資をする人は、まず円をドルに交換する必要があります。
円をドルに交換するときは、円高になっていた方が有利です。
・「1ドル=100円」の時
→100円払えば1ドルがもらえる
・「1ドル=80円」の時(円高の時)
→80円払うだけで1ドルがもらえる
・「1ドル=120円」の時(円安の時)
→120円払わないと1ドルがもらえない
こんな感じで、円をドルに帰るときは円安になっていたら不利。
ということで、投資を始めるときは円高。
投資を始めた後は円安になるのが最高。
こう聞くと、「今は円安だから投資を始めるのを待った方がいいのかな」と考える人が多いと思います。
ですが、投資は為替よりも株価の値動きの方が100倍大切なので、意識しすぎる必要はないです。
それよりも、早く投資を始めて時間をかける方がよっぽど大切。
【最強の投資】長期投資はメリットしかない!【やらない理由ある?】で詳しく説明しています。
●最近は「円安→株高」の関係は崩れてきている
説明してきた通り、「円安=GOOD」「円高=BAD」という関係である程度は大丈夫なんですが、最近はちょっと流れが変わってきています。
つまり、円安が必ずしも良いわけでもないということ。
今までは、日本企業が輸出中心だったから株高になるという話でしたね。
ですが、最近は日本企業が海外に進出しています。
人件費が安いからです。
海外工場で製品を作り、そのまま海外で取引をする。
そうなると、輸出しているわけではないので、円安によって業績が良くなるという関係性は薄くなります。
ですから、「円安→株高」は崩れつつあります。
ちなみに、円安になりすぎるとデメリットもありまして、記事後半で解説しています。
■2022年は円安になる可能性が高い【投資家にはチャンス】
●2022年は円安になる!【1ドル=120円もあり得る】
ここからは、2022年の為替がどう動くのかを考えていきます。
結論から言えば、僕は2022年は円安に動くと予想しています。「1ドル=120円」くらいまではあり得るのかなと。
ここ最近のドル円の為替の動きはこちら↓
すでに「1ドル=115円」(2022年1月現在)くらいになっていて、2021年前半と比べるとかなり円安になっていますが、もう少し円安になるはずです。
●為替が動く仕組みを理解しましょう
まずは、為替が動く仕組みを説明します。
キーワードは「金利差」。
金利が高い国の通貨の価値は上がり、金利の低い国の通貨は価値が低くなります。
つまり、アメリカの金利が高くて日本の金利が低い場合は、円安ドル高になるということ。
金利という言葉はわかりにくいので、銀行に預ける時の利息をイメージしてください。
・米国の銀行にドルを預けると1年間で1%もらえる
・日本の銀行に円を預けると1年間で0.1%しかもらえない
→円をドルに交換してドルで預けた方がお得
→円を売ってドルを買う人が増えるので、「円安ドル高」
利息の%は適当ですが、イメージはできたでしょうか。
●2022年は円安になる理由【アメリカの金融政策に注目】
では、2022年は円安になる理由について。
理由は、アメリカが利上げを行うから。
コロナショック以降、世界中の政府が金融緩和を行いましたね。
アメリカは金利を下げる政策(利下げ)を行いました。金利を下げると、借金しやすくなり、お金が回るようになるからです。
コロナの金融緩和については 後日の記事で詳しく説明します。
金融緩和(利下げ)を行う理由は経済の回復。
2022年になってオミクロン株も出てきていますが、徐々に経済は回復へ向かっています。
そこで、アメリカは金融緩和を終了し、逆に金利を上げて引き締めを行うと発表しました。
2022年のうちに3回の利上げを予定。
金利が上がるので、ドル高になりやすい環境です。
利上げについては【2022年最新】アメリカの利上げが株価に与える影響は?【今が買い時】で説明しています。
ここで、「アメリカが利上げしても、日本も金利を上げれば円安ドル高にはならないんじゃないの?」と疑問が出てきます。
確かにその通り。日本も利上げすれば為替は動きません。
ですが、日本は利上げをする見込みは薄い。
理由は長くなるので、簡単に説明すると、アメリカのように経済状態がよくないからです。利上げは経済が良くなって初めて行われるので、日本では行われる可能性は低いんです。
以上の理由から、2022年は円安ドル高に動くと予想します。
これから円安になるということは、投資を始めるチャンスです。「投資してみたいな」と思っている人はこの機会を逃さないようにしましょう。
●円安になりすぎるのはキケン
最後に補足として、円安になりすぎることのデメリットについて。
円安になりすぎると、日本人は貧乏になります。
輸入品の値段が上がるからです。
・アメリカ製のカバン(100ドル)を購入するとします
・輸入する時に「1ドル=100円」なら10,000円で購入可能
・「1ドル=120円」(円安)なら12,000円の支払いが必要
こんな感じ。
あなたの身の回りにも外国製のものはたくさんありますよね。
その値段が上がると、日本人はどんどん貧乏になります。
以上が円安のデメリット。良いことばかりではありません。
ということで、円高・円安が投資に与える影響を説明してきました。
最後に、アメリカ投資の魅力を説明した記事を貼っておきます。これから投資をしようと思っている人は参考にしてください。
【暴露】なぜ投資家は日本ではなくアメリカを選ぶのか【答え:簡単に儲かるから】