こんな疑問に答えます。
先に結論から言いますと、「アクティブファンドがインデックスに勝てない」というのは、大きな誤解です。
インデックスファンドをひたすらおすすめしている人の多くは、1つ大切なことを見逃しています。
以下で、アクティブファンドとインデックスファンドについて詳しく勉強していきましょう。
これを書いている僕は、現役の証券マンです。
仕事をしていると、中身も理解せず、盲目的にインデックスファンドへ投資をしている人が多く、ちょっと危機感を覚えています。
すすめられた通りに投資をするのではなく、しっかり自分の頭で考えて決断しましょう。
本記事の目次
■アクティブファンドはインデックスに勝てない←誤解です
最近では、どのネット記事やYouTubeを見ても、「インデックスファンドに投資をしろ!」と言われています。
そのため、「なるほど、とりあえずインデックスファンドを買えばいいのかな」と思っている人も多いはず。
ただ、巷で言われる『アクティブファンドはインデックスに勝てない』というのは完全に誤解です。以下で詳しく見ていきましょう。
●アクティブファンドの多くがインデックスに勝てないのは事実
『アクティブファンドはインデックスに勝てない』は誤解だと書きましたが、『アクティブファンドの“多く”はインデックスに勝てない』というのは事実です。
実際、アクティブファンドの80%はインデックスに負けているというデータもあります。
80%と聞いてしまうと、「やっぱりアクティブファンドはやめるべきかも」と思うかもしれません。
アクティブファンドが勝てない理由としてよく言われるのが、手数料の問題。
確かに、アクティブファンドとインデックスファンドでは手数料が大きく違います。
インデックスファンドは指標に合わせて売買するだけですが、アクティブファンドは運用チームが銘柄を厳選して投資を行っているため、手数料が高くなってしまいます。
しかし、アクティブファンドを運用しているチームは、投資のプロフェッショナルです。
そんな優秀な彼らが、本当に手数料の違いだけでインデックスに負けてしまうのでしょうか?
ここに、見落としがちな1つの事実があります。
●アクティブファンドが勝てないのは“隠れインデックス”が原因
その事実とは何なのか。
それが、見出しにもある通り、【隠れインデックス】の存在です。
隠れインデックスというのは、アクティブファンドでありながら、ほとんどインデックスと同じ運用を行なっているファンドのことです。
インデックスと同じ運用をしていれば、運用成果もインデックスと同じになりますから、手数料の分負けてしまうのは当たり前ですね。
では、「どうしてインデックスと同じ運用をするの?」と気になるはずです。
言ってしまえば、大人の事情というやつです。
運用チームのメンバーも、雇われのサラリーマンでして、運用の成果で評価されてしまいます。リスクをとった運用をしてインデックスよりも大きく負けてしまうようなことがあれば、上司から怒られてしまいます。
ですから、運用成果がマイナスになったとしても市場全体と同じ程度にとどめておきたい。だから、インデックスとほとんど同じような運用をしています。
「市場全体がマイナスになっているんだから、運用成果が悪くてもしょうがないですよね」というわけです。
簡単に言えば、自信がないということでしょう。
このように、実はインデックス運用なのにアクティブ運用のふりをした【隠れインデックス】がたくさん存在しているのが現状。
隠れインデックスのせいで、アクティブファンドへの風当たりが強くなっているのです。
●インデックスに勝てるアクティブファンドも存在する
隠れインデックスがはびこる中で、リスクを取って本気の運用を行なっているファンドも存在します。
そして、そういうファンドこそ、インデックスに勝るような運用成果を出すことができるのです。
本気のアクティブファンドなら、インデックスに勝つというのも不思議なことではありません。
なぜなら、インデックスは経済全体を表す指標であるため、今後成長の期待できない業界も組み入れられているからです。
例えば、銀行株はオワコンと言われていますが、日経平均の中には11もの銀行株が組み入れられています。
このような銘柄を切り捨て、今後伸びてくる企業を厳選して投資をすることで、インデックスを上回る可能性はかなり高いと思います。
また、今は特に成長する企業を見つけやすい環境です。
理由はコロナウイルスによる、生活・ビジネス環境の変化。アフターコロナ・ウィズコロナにマッチした業界は非常に大きく成長しています。
例えば、ネットショッピングやオンライン会議に関連する企業はとんでもない伸び方をしています。
誤解を恐れずに言えば、コロナは投資にとってチャンスです。この機会に、インデックスを上回る本気のアクティブファンドが増えるのではないでしょうか。
以上、『アクティブファンドはインデックスに勝てない』が誤解だということを説明してきました。
「じゃあ結局何に投資すればいいの?」ということですが、それについて僕の意見を述べていきます。
■アクティブとインデックス、結局どっちにすればいいの?
それでは、アクティブとインデックスのどっちを選ぶべきなのか、というお話をしていきます。
●「インデックスは手数料が安いから」はNG
アクティブかインデックスかという話の前に、NGなファンドの選び方についてお話したいと思います。
まずは、「手数料が安いから」という理由で選ぶこと。
手数料が高くても、それ以上のパフォーマンスのファンドであれば投資は成功ですし、手数料が安くても儲からなければ失敗ですよね。
実際、手数料が安いだけで質の低いファンドはたくさんあります。
もちろん、手数料を無視しろと言っているのではありません。
投資をする上では、手数料はめちゃくちゃ大事な要素です。
ただ、手数料が安いというだけの理由で選ぶのはおすすめしません。
●「証券会社に勧められたから」もNG
もう1つのNGな選び方は、「証券会社にすすめられたから」という理由で選ぶこと。
よく勘違いしている人がいるのですが、証券会社の社員(銀行とかも同じ)は、“投資のプロ”ではなく、“投資商品を売るプロ”です。
証券会社は、自分たちが手数料で儲けることが最優先なので、良いものを売ってくれるかどうかはわかりません。
そもそも、証券会社の社員も、その商品が上がるか下がるかなんてさっぱりわかりません笑
もちろん、良い商品を紹介してくれる場合もありますから、証券会社を毛嫌いする必要はないと思います。(しないでください笑)
ただ、「よくわからないけど、証券会社の人がすすめてくるからこれを買おう」みたいな選び方は危険です。
●アクティブでもインデックスでも中身を理解して買いましょう
投資をする上で重要なことは、投資対象をしっかり理解すること。
これが重要だと思います。
理由は、納得感が違うからです。
正直な話、何に投資をしようが、上がるか下がるかなんて神のみぞ知る領域。
大切なことは、失敗を過度に引きずらないことです。
たとえ損をしても、自分がしっかり調べて良いと思って投資をしたなら、諦めがつきます。
深く理解する必要はないと思います。難しいですし、時間もかかってしまいますから。
ただ、自分がどうしてその投資を行ったのか、自分が納得できるくらいには調べましょう。
今回はここまで。
ありがとうございました。